日本人配偶者が失業・転職!ビザ更新は大丈夫?

2025年10月04日 14:49

日本の「日本人の配偶者等」の在留資格、通称配偶者ビザ。このビザの申請や更新で、最も重要視されるのが経済的な安定性です。これは、外国人配偶者が日本で生活していく上で、夫婦が自力で安定した生計を維持できるかどうかを入国管理局(入管)が確認するためです。

もし、ビザの申請・更新のタイミングで日本人配偶者が転職や休職をしていたら、審査はどうなるのでしょうか?安定性という点で懸念されがちなこれらの状況について、入管の考え方と具体的な対策を解説します。

1. 配偶者ビザ審査における「安定性」の基本的な考え方

入管が求める経済的な安定性とは、今後も継続して日本で夫婦が生活できる経済的な基盤があることを指します。

一時的な収入の増減ではなく、世帯全体の収入の推移、資産状況、そして将来的な見通しを総合的に判断します。そのため、日本人配偶者が転職や休職をしたという事実だけで、直ちに不許可になるわけではありません。大切なのは、不安定な状況であっても、生活を維持できることを具体的に証明することです。

2. 「転職」が審査に与える影響と取るべき対策

日本人配偶者が転職した場合、入管は主に収入の継続性と職業の安定性を確認します。

影響するポイント

転職直後の申請
転職して間もない場合(特に勤続期間が数ヶ月未満)、新しい職場の収入がまだ安定していないと見なされる可能性があります。
収入の大幅な減少
 転職によって世帯収入が大きく下がった場合、生活水準を維持できるのかという懸念が生じます。

必要な対策

新しい雇用の確実な証明
新しい会社からの在職証明書や雇用契約書を提出し、既に安定した職に就いていることを示します。
収入状況の明示
直近の給与明細はもちろん、新しい職場で今後1年間で得られる収入見込みを記載した書類を提出し、具体的な収入額を提示します。
前向きな転職理由の説明
短期間での転職を繰り返している場合や、収入が下がった場合は、理由書(事情説明書)を添付しましょう。キャリアアップ、ワークライフバランスの改善、勤務地の変更など、安定した生活を築くための前向きな行動であったことを丁寧に説明することが重要です。

3. 「休職」が審査に与える影響と具体的な対策

病気や育児・介護などで日本人配偶者が休職した場合、収入が途絶えたり大幅に減ったりするため、「経済的な安定性」という点で大きな懸念材料となります。

影響するポイント

収入の途絶
休職期間中は給与がゼロ、または社会保険からの手当のみになるため、生活費の出所が最も問題視されます。
休職期間の見通し
休職期間が長引く見込みの場合、今後の生計維持の見通しが立てにくいと判断されがちです。

必要な対策

休職の正当性と復職の証明
病気の場合は診断書、育児・介護などの場合は会社の休職証明書を提出し、休職がやむを得ない事情によるものであることを証明します。さらに、会社の復職予定日や復職後の待遇を証明する書類を提出し、将来的に安定した収入が再開される見込みがあることを強調します。
収入減少を補う証明が鍵
この状況で最も説得力を持つのが、貯蓄です。預貯金残高証明書や過去数年分の納税証明書を提出し、現在の貯蓄や過去の収入実績があるため、一時的な収入減があっても生活を維持できることを具体的に立証しましょう。

不安を解消する最善のステップ

日本人配偶者の雇用状況が変化しても、それだけでビザが不許可になるわけではありません。重要なのは、その変化を隠さず正直に申告し、不安定な状況下でも夫婦で生計を維持できる裏付けを示すことです。特に収入が不安定な時期の申請・更新は、追加資料や理由書の書き方一つで審査結果が大きく変わることがあります。

少しでも不安に感じられた場合は、専門知識を持った行政書士にご相談いただくことで、あなたの状況に合わせた最善の対策を講じることができます。

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